天を仰ぎながら放たれる一手一手
２０１５年１０月１８日に行われた第２回天絃戦のレポートです。
天を仰ぎながら放たれる一手一手
２期目を迎えた天絃戦（てんげんせん）。
参加者１４名のうち、有段者は
ますざわさん・もりさんの２名。
当日朝颯爽と現れ飛び入り参加してくれたダテさん、
２人のお嬢さんと一緒に参加してくれた後藤さんがそれに続き、
ほか１０名は９級以下ということで、
平均年齢もかなり若めな感じに。
１回戦
りんたろうくん（９級）vsじおんくん（13級）
９級のりんたろうくんと１３級のじおんくんによる４子局。
鳴沢小学校５年生のじおんくんは囲碁を覚えて１年弱ながら
ほかの子より年長ということもあってのエース格。
結果はじおんくんの１０目勝ちとなりました。
この２人は７月に行われた小学校の団体戦で１度対戦していて、
ハンデなしの互戦ということもあり
そこではりんたろうくんがきわどく勝利していますが、
いずれもなかなかの接戦。
今後の成長に期待するばかりです。
きょうかちゃん（12級）vsやまとくん（13級）
こちらの美少女（奥のお二方のことではなく、手前左の子です）は、
お父さん・妹さんと参加してくれた吉田小学校のきょうかちゃん。
家族で数ヶ月前に習い始めて以来、
ときどき教わりに来てくれています。
１回戦では船津小学校のやまとくんに中押し勝ち。
たつきくん（21級）＆のぞみちゃん（19級）
妹ののぞみちゃんも鳴沢のしょうたくんに勝利、
姉妹ともに順調なスタートとなりました。
きょうかちゃんものぞみちゃんも囲碁の大会へ出るのは初めてだそうですが、
家族の力づよいサポートもあって
早いペースで力をつけているようです。
囲碁キッズ2015
のぞみちゃんに力及ばなかったしょうたくんですが、
こちらは来年一年生になる弟さんへ囲碁を教えている最中。
鳴沢では強い相手と打つ機会が少ないので
良い経験になったのではないでしょうか。
教室では対局そっちのけで囲碁の本に読みふけるほどの勉強家なので、
本で学んだ理論を対局へ生かせるようになればつよくなりそうです。
２回戦
あさひくん（19級）vsのぞみちゃん（19級）
あさひくんとのぞみちゃんの一局。
あさひくんは今年から囲碁を始めた２年生ですが、
表情を見てわかる通り、集中力と冷静さを兼ね備えた見習うべき存在です。
ふたりともおなじ学年、おなじ級で、始めた時期もだいたい同じですが
これが初手合いです。
るおんくん（９級）vsたつきくん（21級）
船津小学校５年生のるおんくんと鳴沢小学校１年生のたつきくん。
日差しを浴びながらの対局。
後藤さん（３級）vsもりさん（３段）
後藤さんは星へのカカリにコスミツケで応じています。
なかなか厳しい手ではあるのですが、
形に安定感がなく後の運用が難しい意味もあります。
ますざわさん（５段）vsダテさん（１級）
ダテさんは画面右下でツケノビ定石を打っている様子。
この定石は入門用とされることもあって高段者には好まれない傾向がありますが、
実は席主はかなり優秀とニラんでおり愛用しているのです。
ただこの碁では、五線のマゲを決めて白をノビさせてしまっていることによって
白から黒の穴を出ていく反撃が狙いになっているので注意が必要。
ノビによって本陣を固めた白は
後顧の憂いなく出撃できる形になっているのです。
３回戦
ますざわさん（５段）vsるおんくん（９級）
りんたろうくん（９級）vsもりさん（３段）
３回戦では９級の２人に経験を積んでもらうことにしました。
るおんくんはますざわさんに、
りんたろうくんはもりさんに胸を借りての対局。
結果は残念でしたがハンデなしで打てるようになる日も遠くないはず。
じおんくん（13級）vsきょうかちゃん（12級）
きょうかちゃんに勝利したじおんくんは、ここまで格下と当たることなく３連勝。
実力的に未熟な鳴沢組の中で真田丸のごとく孤軍奮闘する姿が印象的です。
４回戦ではいよいよ
ラスボス・ますざわさんへ挑みます。
のぞみちゃん（19級）vsたつきくん（21級）
のぞみちゃんはたつきくんにも堂々の勝利で３連勝を決めました。
ここまで同年代の子が相手でしたが
ラストはベテランのもりさんへチャレンジ。
４回戦
やまとくん（13級）vsたつきくん（21級）
最後に１勝を上げたやまとくん、なんとかひとつ勝てたことに安堵していたようです。
未勝利に終わったたつきくんも、最後まで明るく楽しんでくれました。
のぞみちゃん（19級）vsもりさん（３段）
さて、もりさんとの２１子局へ臨んだのぞみちゃんでしたが
結果は見事勝利！
初の囲碁大会で４戦全勝という最高の結果となりました。
そして気になるもうひとつの全勝対決は‥‥。
じおんくん（13級）vsますざわさん
熱戦の手順を鑑賞（「絃盤」などのSGF形式対応ソフトでご覧ください）
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１７子置いてますざわさんへ挑んだじおんくんは、
序盤で画面右下（中央寄り）の白８子を仕留める
完璧な立ち上がりを見せます。
これは投了近しと見えた白でしたが、黒に緩着が出たのを見て
眠りから目覚めたように反撃開始。
相手の真の実力を見たことによる戦慄からか
人が入れ替わったように失着を重ねてしまった黒は
みるみるうちに形勢を損じていきます。こうなると、そこにあるのは絶対的な技術の差。
いったん白へ向かった流れは変化のきざしを見せることなく、
果たして形勢は逆転の時を迎え
無念の投了となりました。
二代目天絃は
圧倒的な強さを見せつけたますざわさんとなりました。
２位から４位は以下の方々。
来年はさらなる成長を遂げた姿を見られるはず。
この日も楽しい素敵な一日となりました。
参加してくれた皆様に感謝です。
（２０１５．１０．２６）