2014年10月26日に行われた第1回天絃戦のレポートです。
今年から新たに始まった天絃戦(てんげんせん)。
参加者は
3段以上の強豪組が5名
2段~4級(高校生)が7名
14級以下(小学生)が6名
といった顔ぶれです。
1回戦は強豪組対高校生が5戦あり、
高校生がどこまでがんばれるかが注目ポイント。
期待の小学生も6名参戦してくれました。
地元河口湖の
りんたろうくん(14級)・るおんくん(16級)・かりんくん(17級)・やまとくん(18級)は
河口湖の囲碁教室で学んでいます。
鳴沢村から参加してくれたひなちゃん(21級)・こうたろうくん(24級)は
今年新設された鳴沢村の囲碁教室で学び始めた1年生、
この日は河口湖の小学生と対局できる貴重な機会となりました。
囲碁キッズたちのがんばりにも期待です。
1回戦
クラス分けをせず色々な組み合わせで対局していただいたため
和やかなムードで進行しました。
もりさんへ23子おいて挑戦する左の少女は21級のひなちゃん。
今後が楽しみな逸材です。
こうたろうくん(上写真右の少年)は
りんたろうくんへ挑戦。
ここは棋歴に勝る9歳のりんたろうくんが貫禄の勝利を挙げました。
1回戦の結果は9局全て上手の勝ちとなりました。
天絃戦では自由置き碁によるハンデ戦となっていますが、
置き碁における置き石の活用は意外に難しく
追い上げる上手、追い上げられる下手の精神面の優劣などもあって
見た目以上に上手が勝ちやすい傾向があるようです。
2回戦
しかしながら2回戦では下手側の活躍がありました。
21級のひなちゃんが18級のやまとくんに、
初段の谷くんが3段の宮永さんに勝利する快挙。
谷くんは4級の頃6子局で3段の方に勝利したこともあり、
ハンデを生かす技術の持ち主といえそうです。
2回戦を終えて
岩間さん(6段)もりさん(3段)に、
親子で参加してくれた、畑中さん(4段)ひろくん(5段)を加えた4名が連勝。
やはり強豪組による上位争いとなりました。
3回戦
3回戦の注目は岩間さんvs畑中さん、ひろくんvsもりさんの決勝進出をかけた2局(ともに2子局)。
ひろくんvsもりさん 互いに強敵を迎えた本局、表情が違います
宮永さんへ挑む中村くん 画面右上の黒が取られてしまって苦しそう
岩間さんvs畑中さんも白熱の序盤戦 石数の少なさが慎重さを物語っています
3回戦が終わって全勝を守ったのは・・・
岩間さんとひろくんでした。
岩間さんは県内で桃・葡萄の農園をされていて
絃もたくさんお世話になっています。
そして棋力はなんと6段!当然ながら大本命です。
ひろくんは選手の中では唯一の中学生。
もりさんには2年前に互先で敗れたことがあり、
2子置かせての勝利で成長ぶりを見せてくれました。
4回戦
決勝戦は5段対6段のハイレベルな戦いとなりました。
この2人は過去に同じ定先の手合いで対局したことがあり
そのときは岩間さんの貫録勝ち。
ひろくんはここでも星を返すことが出来るのか、
注目の戦いが始まりました。
熱戦の手順を鑑賞(「絃盤」などのSGF形式対応ソフトでご覧ください)
注目の決勝戦。
序盤白の岩間さんに緩着が出て
黒のひろくんがリードを拡大。
しかし中盤から徐々に後退を始めた黒は、
流れを変えるべく
白の勢力圏へ深々と打ち込むすさまじい手を放ち
一大決戦となりました。
白の猛攻を受けた黒はきわどく生きを得ますが
周囲の黒地が被害を受ける結果となり白が勝勢を確立。
終盤を得意とする岩間さんがそのまま逃げ切り
堂々の白10目勝ちとなりました。
初開催の天絃戦を制したのは岩間さんでした! 成績一覧
第1回天絃戦では
新鮮な顔合わせが多く実現し
たくさんの交流が生まれました。
参加してくれた皆様にそれぞれ
貴重な経験が刻まれたのではと思います。
(2014.11.21)