2013年1月5日に行われたペア碁大会のレポートです。
この日の参加者は途中参加の持山先生をふくめて10名。
あらかじめペアを組んできてくれたのは
在原兄弟、渡辺・梶原組、畑中兄弟の3組で
いずれも親戚同士の組み合わせ。
それ以外の参加者からは、
5級の梶原しょうえいくんが畑中兄弟のお父上とペアとなり、
渡辺健太くんは2回戦までシングルで参加、
3回戦以降は持山先生とペアとなって戦うこととなりました。
開始予定時刻から少し遅れて、10時30分頃に大会がスタート
まず最初に勝利をあげたのはともに3段の畑中兄弟ペア
その後健太くん、在原兄弟ペアも1勝目を挙げ、
畑中兄弟ペアが2勝目を挙げたところでお昼休みとなりました。
午後に入って、在原兄弟ペアが2勝を挙げ3連勝。
畑中兄弟は3局目を落とし2勝1敗で最終戦へ。
初戦を落とした渡辺・梶原ペア(ともに2段)も
畑中兄弟ペアを破るがんばりを見せ2勝1敗となります。
そして最終戦、
最大の山場となる畑中兄弟対在原兄弟の兄弟対決が開始されました
(注目の本局の棋譜はこちら、絃盤のペア碁モードで見てね)
序盤は白の畑中ペアがペースをつかんで優勢確立、
しかし、黒の在原ペアは白模様へ打ち込んでシノギに成功し盛り返します。
その後しゅうとくんの勇み足から白石が黒地の中に取り残されることとなり、
形勢は黒有望に。
数手の進行の後、このままでは勝てないと見たしゅうとくんが
取り残された白石を動き出しますが、
兄のひろくんはそれを無理と判断したのか、別のところを打ちます。
その後、しゅうとくんが白石を動く→ひろくんが別のところを打つ、
と、かみ合わない着手がくりかえされた後、
ひろくんのほうが歩調を合わせることを決意、
いよいよ2人で協力して白石を助けにかかりました。
そして、局面が混とんとするなか、乾坤一擲、白石を黒石とのセメアイへ持ち込みます。
もともと黒地だったようなところなので、黒はこのセメアイに負ければおしまいです。
しかしセメアイは黒有利・・・
と思われたところで、黒のゆきさとくんに痛恨の失着が出てしまいます。
畑中・在原戦の盤面がこちら
左のほうで難解なセメアイが発生している局面
黒のミスによって一瞬にしてセメアイの行方がわからなくなりました。
後で検討したところ、ここから正しく打てば
白がセメアイ負けすることはなかったようです。
しかしお互いに疲労困ぱいのなか、
こういった局面にめっぽう強いはずのしゅうとくんに
1手損となるミスが・・・
これによって黒がセメアイを制することとなりました。
この結果黒は優勢をキープ、
その後はしっかり逃げ切って・・・
大会を制したのは在原兄弟ペア!(写真はゆきさとくん)
なんでも、初段のゆきさとくんは
4段のお兄ちゃんへ難しい局面がまわってくるようにするための
パスプレイに心を砕いていたそうで、セメアイでミスをした場面では
それが裏目に出てしまったということです。
実際、ペア間の実力差が大きく開いていることが多い
プロのペア碁棋戦ではときおり見かけられる、有力な戦術なのでした。
4局目も制した渡辺・梶原ペアが2位へ入り、畑中兄弟ペアは3位となりました。
2位・3位に同棋力の2人で組まれたペアが入賞するなかで、
棋力差を生かしたチームワークで臨んだ
在原兄弟ペアが優勝を勝ち取ることとなりました。