いごじいさん


あるところにふたりのおじいさんがいました。

あるとき、おじいさんたちは木のいたのうえへたてよこのせんをいくつかひいて
それぞれくろの石としろの石をこうたいで打ってあそんでみたのでした。

はじめのうちは石のならびのうつくしさでしょうぶしていたのですが
あるとき
“あいてにたてよこのにげみちをふさがれた石はとられてしまう”
というきまりをつくってみました。




それからは
さきに石をとることをきそってあそぶようになりました。




すると、こまったことがおこります。



「ここでここへ打ったらおたがいににげみちをふさがれてしまったぞ。
はて、どうしたものだろう。」

なやんでいると、
いちだいのエコカーがこちらへむかってきます。







エコカーのなかからすがたをあらわしたこども理事長が
「こういうばあいはあとに打ったほうが生きのこれることにしましょう。」
というので、そうしました。




それからみなであそんでみましたが、
やがてじぶんできめたきまりのせいで石をとられてまけてしまったこども理事長は
「わしはこんなところ来とうはなかった!」とさけぶと
ふたたびエコカーへのりこんでさっていきました。





ある日、おじいさんたちは
「石をとったらそこでおわりというのはもったいないなあ。
石をおけるだけおいて
石のかずをきそってみようではないか。」
とかんがえました。


そうしたら、またこまったことになりました。

「こりゃどうしたことか。ここからおたがいにとりあったら、
もとのかたちへもどってしまうよ。どげんかせんといかん。」





すると、こんどは、うしろむきにあるきながらリズミカルにあらわれたマイケル・レドソンが
「すぐにとりかえしてはいけないきまりにするんだよ。いちどほかのところへ打って、
あいてもほかのところへ打ってくれたら、とることができるのさ。」
というので、そうすることにきめました。


こうしてしばらくあそんでみるとどうでしょう。

「どひゃー、これはなんというおもしろさだ。」

おじいさんたちとマイケルは、さんにんだきあって
かんどうをわかちあいました。

のちに“囲碁(いご)”とよばれるこのあそびは、
せかいじゅうへひろがって
さまざまなくにでおおくのひとにたのしまれるようになったのでした。

めでたし めでたし。

 



 

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